波照間島の小学生、孝・邦子・努の3人、そしてもう1匹、豚のトンコは大の仲良し。
1945年1月、この島へ1人の青年学校教員が赴任する。この男・山下寅男は実は日本軍の総司令部・大本営から派遣されたスパイ学校出身の残置謀者だった。
やがて、山下の命令で島民は1人残らずマラリアの蔓延する西表島へ強制移住させられた。それは島のすべての家畜を軍の食料として調達するためだった。
孝たちはトンコをこっそり連れて行こうとするが、山下に見つかってしまう。トンコは命からがら山の中へと逃げ込んだ。
無人となった波照間島は動物たちの生き地獄と化した。
西表島は食料も薬もない。島人のほとんどがマラリアにかかり、次々と死んでゆく。努が死んだ。そして、孝のおじいちゃんも…。
戦も終わり、島人はやっとふるさとの島へ帰ることができた。孝と邦子は山へトンコを探しに行く。そこへ現れたのは…。そして、邦子は…。 |